足の血管がボコボコと浮き出てくる、という見た目の変化は、下肢静脈瘤の最もわかりやすいサインです。しかし、血管が浮き出る前に、あるいは、それと同時に、足は様々なSOSサインを発しています。これらの自覚症状に早く気づき、対処することが、病気の進行を防ぎ、つらい症状から解放されるための鍵となります。以下に挙げる症状に、もし心当たりがあるなら、それは下肢静脈瘤の始まり、あるいは進行のサインかもしれません。足の重さ、だるさ(倦怠感):特に、夕方になると、足が鉛のように重く、だるくなる。一日中立ち仕事をしていたり、デスクワークで座りっぱなしだったりした後に、症状が顕著に現れます。足のむくみ(浮腫):夕方になると靴がきつくなる、靴下の跡がくっきりと残る。指で足のすねを押すと、跡がしばらく戻らない。これも、血液や水分が足に溜まってしまうことで起こります。足の痛み:ズキズキ、ジンジンとした、鈍い痛みを感じる。足のつり(こむら返り):夜、寝ている間に、突然ふくらはぎの筋肉が痙攣し、激しい痛みに襲われる。週に何度も起こる場合は、要注意です。足のかゆみ、皮膚の乾燥:静脈瘤の周辺の皮膚が、カサカサして痒くなることがあります。これは、血行不良によって皮膚に十分な栄養が行き届かなくなるためです。足のほてり、熱感:足が火照るように熱く感じられる。これらの症状の大きな特徴は、「夕方になると悪化し、朝になると軽快する」という、一日の中での変動があることです。また、足を心臓より高くして休ませたり、歩いたりしてふくらはぎの筋肉を動かすと、症状が和らぐ傾向があります。なぜなら、これらの動作は、足に溜まった血液を心臓へと戻すのを助けるからです。もし、これらのサインが複数当てはまり、日常生活で不快感を感じているのであれば、それは単なる「疲れ」ではありません。静脈の弁が壊れ始めている、という体からの明確なメッセージです。血管が目立っていなくても、これらの症状があれば、一度、血管外科などの専門医に相談してみることをお勧めします。超音波検査を受ければ、目には見えない静脈の逆流を、簡単に見つけ出すことができるのです。
これは静脈瘤のサイン?足が出すSOSを見逃さない