頭痛、めまい、倦怠感、肩こり…。冷房病の症状は多岐にわたり、一つひとつの症状だけを見ると、どの診療科へ行けば良いのか、判断に迷ってしまうことがよくあります。また、「病気ではないから」と、病院へ行くこと自体をためらってしまう方も少なくありません。しかし、つらい症状が続く場合は、その背後に別の病気が隠れている可能性も否定できません。適切な診療科を選び、専門家に相談することが大切です。まず、様々な症状が複合的に現れており、どの症状が主役なのか自分でもよくわからない、という場合は、「総合診療科」や「一般内科」を最初に受診するのが良いでしょう。医師は、全身の状態を総合的に診察し、症状の裏に、貧血や甲状腺機能の低下、あるいは心臓の病気といった、器質的な疾患が隠れていないかを、血液検査などでスクリーニングしてくれます。ここで、「特に身体的な異常はない」と診断され、症状が自律神経の乱れによるものと判断された場合、そこから、より専門的な診療科へと繋がっていくことになります。もし、めまいや耳鳴りが特に強い場合は、「耳鼻咽喉科」へ。動悸や息切れが気になる場合は、「循環器内科」へ。頭痛がひどい場合は、「神経内科」へ。そして、月経不順や生理痛の悪化など、婦人科系の症状が顕著な場合は、「婦人科」が相談先となります。これらの専門科で、それぞれの臓器に異常がないことを確認した上で、それでもなお、原因不明の不調や、気分の落ち込み、不安感が続く場合。その時に、最終的な受け皿となるのが「心療内科」です。心療内科は、ストレスなどが原因で体に症状が現れる「心身症」の専門家であり、冷房病(自律神経失調症)の治療を最も得意とする診療科の一つです。カウンセリングや、自律神経調整薬、漢方薬などを用いて、心と体の両面からアプローチしてくれます。つらい症状を一人で抱え込まず、まずは内科を窓口として、専門家への相談を始めること。それが、改善への第一歩です。
冷房病で病院へ、何科を受診すれば良いのか