子供が熱を出すと、親としては「これはただの風邪なのか、それともインフルエンザなのか」と、心配になるものです。特に、インフルエンザは重症化のリスクもあるため、早期に見分けて適切な対応をしたいと考えるのは当然のことでしょう。いくつかのポイントを押さえることで、ある程度の見当をつけることが可能です。最大の見分け方のポイントは、「症状の始まり方と進行の速さ」です。普通の風邪(感冒)は、比較的ゆっくりと症状が現れます。喉のイガイガや鼻水、くしゃみといった局所的な症状から始まり、熱も三十七度台の微熱から、だらだらと上がっていくことが多いです。一方、インフルエンザは、突然、悪寒とともに三十八度以上の高熱が出る「突発性高熱」で発症します。症状の進行が非常に急激で、「さっきまで元気だったのに、急にぐったりした」というのが典型的なパターンです。次に、「全身症状の強さ」も大きな違いです。風邪でも体のだるさを感じることはありますが、インフルエンザの場合は、そのレベルが全く異なります。体を動かすのもつらいほどの強い倦怠感、そして、関節痛や筋肉痛、頭痛といった全身の痛みが、高熱と同時に現れるのが特徴です。子供は、これらの痛みをうまく伝えられず、ただひたすら機嫌が悪く、泣き続けることもあります。そして、「呼吸器症状が現れるタイミング」も参考になります。風邪は、咳や鼻水といった症状が初期から見られますが、インフルエンザでは、これらの症状は、高熱が出てから一日か二日遅れて現れるか、あるいは比較的軽いことが多いです。もちろん、これらはあくまで一般的な傾向であり、個人差もあります。特に乳幼児の場合は、典型的な症状が出そろわないことも少なくありません。最終的な診断は、医療機関での迅速検査によってなされます。しかし、これらの見分け方のポイントを知っておくことで、「これは普通の風邪とは違うかもしれない」と早期に受診の判断をすることができ、抗インフルエンザ薬を効果的なタイミングで服用できる可能性が高まります。
これってインフルエンザ?普通の風邪との見分け方