長引く咳に悩まされ、どの病院へ行けば良いのかと、インターネットで検索を繰り返す日々。内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科…選択肢は多いけれど、一体どこが自分にとっての正解なのか。そんな「何科問題」に、私なりの結論を出した経験をお話ししたいと思います。私の場合は、風邪をひいた後、痰の絡む湿った咳と、常に喉の奥に何かが張り付いているような不快感が、一ヶ月以上も続いていました。最初は、かかりつけの内科で咳止めをもらっていましたが、一向に改善しません。次に私が向かったのは、咳の専門家である呼吸器内科でした。レントゲンや呼吸機能検査を受けましたが、結果は「異常なし」。「感染後咳嗽でしょう」との診断で、気管支拡張薬などを処方されましたが、それでも症状は変わりませんでした。途方に暮れていた時、ふと、あることに気づきました。それは、横になると咳がひどくなること、そして、日中も鼻をすする癖があることです。「もしかして、原因は鼻なのでは?」そう考えた私は、最後の望みをかけて、耳鼻咽喉科を受診しました。ファイバースコープで鼻の奥を診てもらった瞬間、医師は言いました。「ああ、ひどい副鼻腔炎ですね。鼻水が全部、喉に落ちていますよ(後鼻漏)。これが咳の原因です」。原因が判明した瞬間、目の前がパッと開けたような気がしました。その後、鼻の治療を開始すると、あれだけ私を悩ませていた頑固な咳は、嘘のように少しずつ収まっていったのです。この経験から私が学んだのは、診療科選びに「絶対の正解はない」ということ、そして、「自分の症状を最もよく知っているのは自分自身だ」ということです。私の場合は、鼻の症状がヒントとなり、最終的に耳鼻咽喉科にたどり着きました。もし、あなたの咳が夜間や早朝に集中し、ヒューヒューという音がするなら、呼吸器内科が正解かもしれません。大切なのは、自分の咳のタイプや、伴う症状を注意深く観察し、仮説を立ててみること。そして、一つの科で改善しない場合は、別の可能性を考えて、違う科を受診してみる柔軟な視点を持つことです。あなたの咳の悩みからの解放は、あなた自身の観察眼と、行動力にかかっているのかもしれません。