トイレの回数が多いという症状は、ありふれているだけに、つい「水分を摂りすぎたかな」「体が冷えたかな」と、日常生活の中の原因探しで完結してしまいがちです。しかし、頻尿は、体の内部で起きている、より深刻な病気が原因で引き起こされている場合があります。特に、内科系の疾患が隠れているサインとして、見逃してはならないケースがあるのです。まず、頻尿とともに注意すべき最も代表的な症状が、「異常な喉の渇き(口渇)」です。もし、トイレの回数が増えただけでなく、同時に、水を飲んでも飲んでも喉が渇いて仕方がない、飲む水の量が明らかに増えた、と感じる場合は、「糖尿病」を強く疑う必要があります。糖尿病になると、血液中の糖分(血糖値)が高くなります。すると、体は余分な糖を尿として排出しようとするため、尿の量が増え、結果としてトイレの回数が多くなります。そして、大量の水分が尿として排出されるため、体は脱水状態になり、強い喉の渇きを覚えるのです。このサインに加えて、体重が急に減少したり、体がだるかったりする場合は、速やかに内科を受診し、血糖値の検査を受けるべきです。また、高血圧の治療を受けている方も注意が必要です。高血圧の薬の中には、「利尿薬」という種類の薬が含まれていることがあります。これは、体内の余分な塩分と水分を尿として排出させることで、血圧を下げる薬です。そのため、副作用としてトイレの回数が増えることがあります。もし、新しい血圧の薬を飲み始めてから頻尿になった場合は、主治医に相談してみましょう。さらに、心臓の機能が低下する「心不全」や、腎臓の機能が悪化する「腎不全」でも、体の水分バランスが崩れ、頻尿、特に夜間頻尿が起こることがあります。これらの場合は、足のむくみや息切れといった、他の症状を伴うことが多くあります。このように、トイレの回数が多いという一つの症状も、他の全身症状と合わせて考えることで、体の内部からの重要な警告信号となり得ます。頻尿以外の体の変化にも、ぜひ目を向けてみてください。
そのトイレの回数は病気のサインかも