子供がインフルエンザと診断されたら、親としては一刻も早く元気になってもらいたい一心で、様々なケアをしたくなるものです。しかし、良かれと思ってやったことが、かえって子供の負担になることもあります。インフルエンザの看病で最も大切なことは、子供の免疫力がウイルスとしっかりと戦える環境を整えてあげることです。そのための、正しい看病のポイントを知っておきましょう。まず、基本中の基本は「安静と睡眠」です。インフルエンザウイルスとの戦いは、非常に体力を消耗します。熱が少し下がって元気に見えても、無理に遊ばせたりせず、できるだけ静かに寝かせてあげることが、回復への一番の近道です。部屋は、適度な温度(二十度前後)と湿度(五十から六十パーセント)を保ち、快適に過ごせるように調整しましょう。次に、そして最も重要なのが「こまめな水分補給」です。高熱で大量の汗をかくため、脱水症状に陥りやすい状態です。しかし、食欲不振で食事も摂れないことが多いため、水分だけは意識して摂らせる必要があります。子供が欲しがるもので構いません。麦茶や湯冷まし、乳幼児用のイオン飲料(経口補水液)、すりおろしリンゴのジュースなどを、少量ずつ、回数を多くして与えましょう。食事については、無理強いは禁物です。食欲がない時は、食べられるものを、食べられる時に、少しだけで十分です。おかゆやうどん、ゼリー、プリン、アイスクリームなど、喉越しが良く、消化の良いものがおすすめです。また、高熱でつらそうにしている時は、解熱剤の使用も考えますが、必ず医師から処方されたもの、あるいは薬剤師に確認した、子供用の安全な解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使用してください。インフルエンザの時に、一部の解熱剤(アスピリンなど)を使用すると、ライ症候群という重篤な脳症を引き起こす危険があるため、自己判断での使用は絶対に避けてください。そして、忘れてはならないのが、二次感染の予防です。看病する親が感染しないよう、こまめな手洗いやマスクの着用、部屋の換気を徹底しましょう。