毎年夏になると胃腸の調子が悪くなる、と諦めていませんか。夏バテによる胃腸の不調は、日々の生活習慣を少し見直すだけで、十分に予防し、改善することが可能です。本格的な夏が来る前から、そして夏の間も、胃腸に優しい生活を心がけ、つらい症状に悩まされない快適な夏を目指しましょう。予防の基本は、夏バテの原因となる「自律神経の乱れ」「内臓の冷え」「水分・栄養不足」の3つを、日々の生活の中でいかにコントロールするかにかかっています。まず、「自律神経を整える」ためには、規則正しい生活リズムが基本です。毎日、できるだけ同じ時間に起き、同じ時間に寝ることを心がけましょう。質の良い睡眠は、乱れた自律神経をリセットするのに最も効果的です。また、日中の屋外と室内の温度差をできるだけ小さくする工夫も大切です。外出時には、脱ぎ着しやすいカーディガンやストールを持ち歩き、冷房が効いた室内では体を冷やしすぎないように調整しましょう。次に、「内臓を冷やさない」工夫です。冷たい飲み物や食べ物は、胃腸の働きを直接的に低下させます。飲み物は、なるべく常温の麦茶や水などを選び、食事の際には温かいスープや味噌汁を一杯加える習慣をつけましょう。シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることも、体を芯から温め、血行を促進し、リラックス効果も得られるため非常におすすめです。最後に、「適切な水分・栄養補給」です。喉が渇いたと感じる前に、こまめに水分を摂ることを意識しましょう。食事は、1日3食を基本とし、栄養バランスを考えます。特に、豚肉やうなぎ、大豆製品に豊富なビタミンB1群は、疲労回復に不可欠な栄養素です。また、夏野菜であるトマトやきゅうり、なすなどは、水分と共にビタミンやミネラルを補給でき、体の熱を冷ます効果も期待できます。ただし、食べ過ぎは禁物です。腹八分目を心がけ、胃腸に負担をかけないようにしましょう。これらの生活習慣は、特別なことではありません。しかし、一つ一つを丁寧に続けることが、夏バテ知らずの元気な胃腸を保つための、最も確実な道筋となるのです。