高齢化社会を迎え、リウマチを発症する高齢者の方も増えていますが、高齢者の治療費負担については、現役世代とは異なる特有の仕組みが存在します。まず基本となる窓口負担の割合ですが、七十歳以上になると所得に応じて一割、二割、または三割に分かれます。現役並みの所得がある方は三割負担ですが、多くの方は一割または二割負担となるため、同じ薬剤を使用しても現役世代に比べれば月々の支払額は低く抑えられます。しかし、ここでも生物学的製剤などの高額な治療を導入する際には注意が必要です。七十歳以上の場合、高額療養費制度の限度額が外来のみの個人単位と、世帯単位の両方で設定されており、一般所得層であれば外来の限度額は一万八千円(年間上限十四万四千円)と非常に低く設定されています。つまり、一割負担や二割負担の方であっても、高額な注射薬を使い始めればすぐにこの上限に達し、それ以上の支払いは発生しなくなります。これは高齢者にとって非常に強力な経済的支援です。一方で、注意しなければならないのが、現役並み所得者の区分に入っている場合です。この場合は現役世代と同様の八万円前後の限度額が適用されるため、負担感は一気に増します。また、後期高齢者医療制度への移行に伴い、負担割合が変わるタイミングも家計に影響を与えます。さらに高齢者の場合、リウマチだけでなく高血圧や糖尿病といった他の持病の薬も多く服用していることが多いため、それらすべての薬剤費を合算して高額療養費を申請することが、節約のポイントとなります。また、介護保険制度との連携も重要です。リウマチによる身体機能の低下が認められれば、要介護認定を受けることで、福祉用具のレンタルや住宅改修に助成が受けられるようになり、日常生活を支えるための「医療費以外の出費」を抑えることができます。高齢の方にとって、無理な節約で治療を遅らせることは、寝たきりへの最短距離を歩むことになりかねません。国の手厚い医療費助成制度を正しく理解し、活用することは、家族に経済的な負担をかけないための最良の策でもあります。自分が今どの負担区分にいるのか、どのような助成が受けられるのかを、市役所の窓口やケアマネジャーに早めに相談しておくことが、老後の安心につながります。リウマチ治療という長期戦を勝ち抜くためには、医学的な知識と同じくらい、お金の仕組みを知ることが不可欠なのです。
高齢者のリウマチ治療費用と自己負担額の仕組み