市区町村の国民健康保険窓口で、日々住民からの相談に応じているベテラン担当者のBさんに、保険証の有効期限にまつわる現場の事情を伺いました。国民健康保険(国保)の場合、社会保険とは異なり、定期的に保険証の更新時期がやってきます。Bさんの自治体では、毎年八月に一斉更新を行っていますが、住民から最も多い質問はやはり「新しい保険証はいつ届くのか」「今の保険証はいつまで使えるのか」という内容だそうです。Bさんによれば、国保の保険証の期限は、基本的には「次の更新時期の前日まで」ですが、例外があります。それは、保険料の滞納がある場合です。滞納が続くと、有効期限が通常より短い「短期被保険者証」が交付されることがあり、頻繁に窓口へ来て納税相談をしなければならなくなります。また、七十五歳を迎えて後期高齢者医療制度に移行する方は、誕生日の前日までが現行の保険証の期限となります。そして今、窓口で最も苦慮しているのが、二〇二四年十二月の保険証廃止に伴う説明だと言います。「二〇二四年八月に送付する保険証が、多くの人にとって最後の一斉更新分になります」とBさんは語ります。この保険証には、経過措置を考慮して二〇二五年七月末、あるいはそれ以降の期限が設定されますが、制度の廃止日である十二月二日を過ぎてから紛失したり、住所が変わったりした場合は、もう保険証を発行することはできません。代わりに「資格確認書」を出すことになります。Bさんは、住民の方々に「保険証がいつまで使えるかという日付だけにこだわらず、早めにマイナ保険証の登録をしていただくか、登録しない場合は資格確認書という新しい書類に馴染んでいただく必要があります」と丁寧に説明しています。特に独り暮らしの高齢者の方は、郵便物が届いてもそれが保険証の代わりだと気づかずに捨ててしまう恐れがあるため、窓口では見本を見せながら説明しているそうです。制度が変わることで、役所の窓口も大きな負担を抱えていますが、Bさんのような担当者は「どんなに仕組みが変わっても、市民が医療を受けられなくなる事態だけは避けなければならない」という強い使命感を持って職務に当たっています。移行期の混乱を最小限に抑えるためには、こうした現場の声に耳を傾け、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
役所の担当者に聞いた国民健康保険証がいつまで有効かの判断基準