息子が生後十ヶ月を迎えたばかりの夏、それは突然やってきました。お昼寝から起きた息子の体が、これまでに感じたことがないほど熱くなっており、慌てて体温計を脇に差し込むと、表示された数字は三十九度八分。初めて経験する我が子の高熱に、私の頭の中は真っ白になり、心臓の鼓動が耳元まで聞こえるほどパニックに陥りました。すぐに着替えさせて冷やそうとしましたが、息子は弱々しく泣くばかりで、いつも大好きな離乳食も全く受け付けません。私は震える手で近所の小児科に電話をかけ、予約を取り付けてタクシーで病院へ駆け込みました。待合室では、自分よりも小さな赤ちゃんたちが平然としているように見え、私だけが取り乱しているようで情けなくなりましたが、診察室に入ると先生は穏やかな声で「初めての熱はびっくりしますよね」と声をかけてくれました。先生は息子の胸の音を聞き、喉の奥をライトで照らして丁寧に診てくれましたが、その段階では「喉が少し赤いけれど、風邪か、あるいは突発性発疹かもしれませんね」という曖昧な診断でした。血液検査をするほどではないと言われ、座薬の解熱剤を処方されて帰宅しましたが、その夜からの三日間は私にとって一生忘れられない過酷な時間となりました。解熱剤を使えば一時的に熱は下がりますが、数時間経つと再び四十度近くまで跳ね上がり、息子は赤ら顔で苦しそうに寝返りを繰り返していました。私は数時間おきに水分を飲ませ、氷枕を替え、スマホで「赤ちゃん、高熱、何度まで大丈夫」と検索し続ける夜を過ごしました。四日目の朝、嘘のように熱がストンと三十六度台まで下がったとき、私はようやく治ったと胸を撫で下ろしましたが、物語には続きがありました。数時間後、息子のお腹や背中にポツポツと小さな赤い湿疹が出始め、あっという間に顔や手足にまで広がったのです。再び驚いて病院へ電話すると、看護師さんが「それが突発性発疹の証拠ですよ、おめでとうございます」と明るく言ってくれました。熱が下がってからは、息子はあんなに辛そうだったのが嘘のように元気になりましたが、その代わりに一分一秒でも私から離れると激しく泣き叫ぶ「凄まじい不機嫌」に襲われました。結局、その不機嫌が三日ほど続き、発疹が消えるとともに元の笑顔の息子に戻りました。この一連の出来事を経験して、私は子供の生命力の強さと、病院という場所がいかに親の心の支えになっているかを痛感しました。先生の「大丈夫ですよ」という一言が、暗闇の中で灯台の光のように私を導いてくれました。突発性発疹は、親にとっても「初めての試練」であり、それを乗り越えることで少しだけ親としての自信がついた気がします。今では、あんなに真っ赤だった背中がすっかり綺麗になった息子を見ながら、健康でいることのありがたみを日々噛み締めています。
初めての高熱に慌てた我が子の突発性発疹通院体験記